2024/06/13

海沿いの初めての道


歯の定期検診のあと 30分くらいは何も口に入れないでくださいと言われ少しだけ走りに行くことにした

旧道を南へ
走り慣れたいつもの道を 行き先を考えつつあてもなく走る
20分ほどして海側の細い路地へ曲がると堤防が見えた
もしかして海が見えるかも
堤防へ上がる急な坂にさしかかると白い猫が坂の真ん中の日陰で寝ていた
バイクに跨ったまま坂の下で止まっていると 僕に気がついてゆっくりと目を開けたが逃げる気配はない
驚かさないようギアを1速へ入れ回転数は最小限にして猫の右側を上がるとやっぱり海は見えた
高台から眼下に小さな漁港があり沖には空港がよく見える ここからなら夏の花火もよく見えそうだ

バイクを降り歩いて猫のところまで行くとごろんと寝返りをうってから手を枕にしてゆっくりと目を開けた
耳と眉間が薄茶な白猫 目やにが鼻筋まで伸びている
昼寝の邪魔をしないように再び坂を上がりバイクに跨った
猫は寝転んだままこっちを見上げている

そこからさらに海沿いを進む
途中で旧道にもどされながらもできる限り海沿いの道を探して走った
車はもちろんバイクであっても小回りのきく小排気量でないと入る気にならないような細い路地を進み漁港や海水浴場をいくつか通り過ぎた
観覧車が見えるところまできたということはビーチランドの海側にいるのだとわかる
波打ち際には数羽のウミウがグループになり打ち寄せる水面をじっと見ている
歯医者を出発して既に1時間以上が経っていた

来た道と同じ海沿いを帰る
夏が来る少し前 風が気持ちいい平日の午後
時速35キロでのんびり走り海沿いを走る最高の休日になった

白猫は同じ坂道で寝ていた