一服しようと外に出ると晩に降った雨で路面は濡れていた
天気予報は曇り時々晴れ 遠くの空に晴れ間が見え安心したのも束の間 玄関のテンキーを入力してもエラーとなり閉め出されてしまった
昨晩少し話をした台湾のおばさんがタイミングよく階段を降りてきたのが見えたので窓をノックして中から鍵を開けてもらった
ウェットスーツを着た彼女と別れの挨拶を交わし支度の続きに取りかかった
仲良くなった中国人も準備を終えて階段を降りてきた
彼はバスで台北まで戻る予定 バスの本数が少ないので乗り遅れるとかなり時間をロスすると言った
別れ際 連絡先を聞かれ もちろん了承した
朝ごはんのツナトーストサンドと龍眼干茶は白紙に書いて注文した
漢字で書かれたメニューは読めないけど書ける 不思議な気持ちになった
すぐ近くの海辺へ着き メットインからツナサンドを取り出すと目の前のベンチに座っていたおじさんが
ここに座って食べなよとベンチを指でさした
有難いことだが 海を見ながら食べたかったので丁寧に断り浜辺へ向かった
風は少し強めだがそれが気持ちいい ワンコロは日陰で気持ちよさそうに寝ている
独特な台湾味のトーストは結構うまい
カップの底に残った龍眼はデザートだ
中国人の王さんは海沿いの三仙台へ立ち寄る予定だと言っていた バスにちゃんと乗れだだろか
僕は山沿いの道を北上し米どころの池上を目指した
特産の米を使った弁当が人気らしいが11時前に着いたのでまだ腹は減っておらず
この先どこか眺めのいいところで食べるこたにしてひとつ買うことにした
池上には金城武の木とか観光もあったが 一人で観光する気にはなれずスルーした
一人だと観光地というワードに拒否反応を示してしまうのは何故だろう
池上から30号線で海沿いへ出て先を進む
右には海 左には山 海と山に挟まれたこの道 昨日から同じような景色ばっかり
地図で現在地を確認するとしばらくは同じような道が続くようで正直少し飽きていた
気分転換しようと山側や海側へ細い道を入ったり
いい感じの海岸を見つけたので池上で買った弁当を食べることにした
周りが草木で覆われベンチが二つだけ置かれている 眺めのよい絶好の弁当スポットだ
おかずは11種類 日本では食べたことのない台湾味 全部うまい 米がうまい
少しすると一台のバイクがやってきた
メーカー不明な小型のマニュアル車 一眼レフカメラを取り出し隣のベンチからファインダーを覗きシャッターを切っている
弁当を食べ終え 少し離れた岩場で一服してから戻ると ベンチの上にカメラを置いたまま岩場に顔を突っ込み何かを探している
蟹でも捕まえてるのかな すると足場が悪い中30キロはありそうな大きな石を退かそうと苦戦していたので声をかけて手伝うことに
声を聞くまで男の子だと思っていたが 女の子であることをそのとき知った
岩を退かし終え 何を探してるのか聞くと何を言っているかわからなかったがとても困った様子で
岩場の中を指さすので覗き込むと奥の方に黒いレンズキャップが見えた
あと少し手が届かない そんなジェスチャーを見せたので
なるほど 落っことしたのね と理解した
大きな岩を退かしできた隙間に再び彼女が手を突っ込む
頭から肩まで突っ込み手を伸ばしているがどどうしても少しだけ届かない様子
今度は僕がやってみる できる限り頭を隙間に食い込ませ肩関節を縮め手を伸ばす
あと少し あと少し 岩に顔をくっつけ肩幅を狭くして体をねじ込む
中指の先にプラスチックが触れた これ以上は無理かも でもここで諦めたらかっこ悪い
ファイト一発 僅かに薬指に触れたチャンス逃すわけにはいかない 全神経を指先に
隙間から這い出て彼女にレンズキャップを渡す オリンパス僕も昔使ったことあるよ
飲み物を馳走したいと言われたが 気を使わなくていいからと言葉を返した
彼女は台北からバイクで来て今日は台東へ滞在する
僕は台湾一周中で 今日までに立ち寄った街のこと 今後の予定について話した
今夜は花蓮 明後日の台北でゴールなんだ
すると彼女が誰かに電話を始め何かを話した後僕に電話を渡してきた
花蓮から北へ向かう場合 新城というところで地震の復旧工事をやっていて1日数回しか通行することができない
彼女は日本語のわかる知り合いを介して僕に交通規制の情報をくれた
礼を言い彼女と別れ先へ進む
八仙洞という場所へ立ち寄ってみたが山肌にできた洞窟というか窪みのために約40分の山登りをすることになりかなり体力を消耗した
汗が引くまで休憩して再出発
北回帰線を通過し11号線沿いにあった派手な廟 女媧娘娘廟へ寄ってみた
参拝者は一人もいない
ステージが組まれ劇のようなものをやっていたが
派手な衣装とメイクをした5人が無表情のまま順番に歌っていたのは何だったのか
神様に奉納するためにやっていたのだろうか 結局最後まで何をやっているのかわからないまま 拍手をしていいものなのかどうかもわからず
このころから地滑りを起こし山肌が剥き出しになっているのを何度か見かけ 花蓮が近くなっているのだと思った
数十キロ先 花蓮方面の空に黒い雲が覆って見える
ときおりパラパラと降りだし まだ大丈夫とカッパを着ずにいたがそろそろやばくなってきた
ダイソーのカッパを上下着て先を急ぐことにした
街が近づくにつれ雨足が強まってきたので靴カバーを付け バックパックをビニール袋で覆った
宿についてカッパを干し着替える
雨が降っていてたこと 疲れていたこともあり散歩には行かなかった
傘を差し晩ごはんを買いに行く
公正包子で小籠包と蒸餃子をテイクアウト
小籠包は小ぶりな肉まんほどの大きさがあり食べ応えがある
餃子といえば断然焼き派だけど 蒸しもいいかも
ニンニクの効いたタレにつけるといくらでも食べられる気がした
なんか疲れてる
やっぱり散歩に行く気にはなれなかった
体調を整えた方が良さそうなので 早めに寝ることにした
